4-45 結婚したら二人っきりになれる
4-45 結婚したら二人っきりになれる
マヤが部屋にやって来た。「どこか食事に行きたいか」と聞かれた。「まだお腹空いていない」、と答えた。流石にマヤも私が不機嫌な事に気付いている。マヤは「食事に行かないなら私は帰る」と言った。「別に帰っても構わない、いつお腹空くかわからない。多分近くで食べられる。」マヤは黙り込む。暫くしてマヤが聞く「明日空港への見送りが必要か?」
「ここでさようならするか?」だろう、翻訳すれば。それでもいいという気持ちもあったが、もう少し揺さぶってやろうという気持ちが起きた。これは今まで不機嫌にさせてくれたお礼、ほぼ復讐心に近い。
「わかった、もう少し話をしよう」私は立っていたマヤをベットに座らせた。「マヤ、私は不愉快なんだ。私はあなたに会いに来た。しかし二人きりにはなれない。あなたはお母さんが許さないというが、マヤはもう大人だろう?私にはその理由が信じられない。」「ここはあなたの国じゃない」マヤは返した。「私は色々な国に行ったけれど、大人のデートに母の許可が必要な国はなかった。日本だけじゃない。それにフィリピン人どうしだったら、お母さんの許可なんて必要ないんだよね。前にマヤはそういった。私が外国人だからだろう?」
私はマヤを責め続ける。まぁ、少なくとも私は正当な主張をしているつもりではいる。「マヤは美人だよ。あなたに会えたのは幸せだと思う。しかしあなたが二人だけの時間を作れない事にはがっかりした。」マヤが返した。「あなたが私と結婚したなら二人っきりになれる」
おいおい、ぶっ飛んでいるだろう。この状況で結婚の話になるはずがない。どこまでマヤは想定しているんだ。結婚という言葉を出して相手を試しているのか?いや、この女はそう正直に信じている貞操女なのか?結婚するまで二人っきりのデートもしない処女か?そんな処女が、ネットで外国人男を自分のところに誘うのか?もう矛盾が満載だ。
これは結婚詐欺なのか?とも思った。二人っきりになるためには結婚を要求する。男がそれを受け入れると、あれやこれやと次々に要求が出てくる。結婚を餌に、さんざむしられていく。そういう手口か?
悪いが、もめている最中に結婚を持ち出されても、全然響かない。むしろ逆効果だ。誰がそんな餌につられる?馬鹿にするのもいい加減にしろだ。
万が一結婚が成立すれば、マヤは日本で働き始める。フィリピンへの仕送り、親戚の呼び寄せ、二人きりどころか、我が家はマヤの親族、親戚であふれかえる。それで二人の関係はどうなる?しばらくしてそりが合わず離婚か・・・。
日本のPパブ嬢の、お決まりの離婚理由が思い浮かぶ。「旦那が浮気した」
これは無難な理由で多用されているのだが、実際にあったとすれば、旦那が浮気したがった理由。想像できる。妻は違った。